コラム「ちょんな」

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ちょんな 浜松建設業協会の総務・情報委員会メンバーによるコラムです。

2023年12月

一年に一度だけ光り輝く瞬間がある
(タイトル:掛塚まつり本部冊子から引用)

 狭く入り組んだ街並みの中に、伊豆石で作られた蔵がそこここに残る掛塚は我が社の創業の地でもあり何となく好きな街並みでもあります。

 そんな掛塚で貴船神社大祭「掛塚祭り」が4年ぶりに10月21、22日の2日間で行われると聞き、久しぶりに豪華絢爛な祭り屋台を見たくなり訪れてみました。

 掛塚は、江戸時代より掛塚湊として幕府の御用材、御用米の回漕をし江戸と大阪の中継基地として遠州の小江戸と言われた、繁栄の港でした。その湊町掛塚の栄華を今に伝える豪華絢爛な屋台の彫り物は、名古屋系と関東系の東西の名のある彫師がかかわり、そこに諏訪の立川流の宮大工が加わり匠の技を集め腕を競いあった9台の御殿屋台の引き回しが見事で、より屋台を引き立たせる天幕もそれぞれに名のある作者を題材としたものでユーモアもあり、見ごたえがあります。

 祭りの雰囲気は、お囃子を聞かせ引き歩くスタイルでそのお囃子は南北時代まで遡ると言われ、屋台の動きにより馬鹿囃子、入船、出船囃子、神楽囃子、御公卿囃子などがありテンポをそれぞれ変えて全体にゆったりとした曲調で奏でられていますが、貴船神社境内での砂利の中での若衆の引き回しではテンポの早いお囃子に代わり若衆の力みなぎる引き回しとなり勇壮な一面も見られました。

 古くからあった屋台も度重なる大火で焼失したり、作り替えたりしたものもありますが、掛塚の大工や船大工の職人集団に代々技術が受け継がれそれぞれの流派を受け継ぎ再建している歴史もあり、祭りにかける情熱を感じられずにはいられません。また屋台囃子は県の無形民俗文化財に指定され保存会の皆さんが小学校に出向指導したりして伝統の屋台囃子の保存に努めています。


(貴船神社に集合した屋台)

<T.K>