2008年8月
今回の地震は、震源が約108キロと極めて深く専門家は、太平洋プレートの内部で破壊が起こったと指摘している。 これに対して6月の内陸地震は、震源が浅い直下型だった。気象庁は、今回の地震との関連はないとみている。
6月の内陸地震被害の傾向として、栗駒山周辺をはじめとした山体崩壊や土砂崩れ、河道閉塞が多かったが。建物の倒壊などによる被害が少なかったことが指摘されている。今回の地震でも同様に強い揺れに見舞われたにもかかわらず、住宅倒壊などの被害が少なかった。
地震動の周期が短く、木造住宅を壊す周期1秒前後の「キラーパルス」が少なかったために木造住宅の被害が少なかったこと、この地域では屋根に軽いトタンを用いている家屋が多いため、屋根による家屋の押し潰しが少なかったことが、地震の規模に対して家屋の倒壊被害を少なくしたのではないかと専門家が見解を述べている。 しかし、工場や原発などコンクリート製の建物は、逆に短周期の揺れの影響を受けやすい。 電力会社は原発への影響はないとしている。目に見えない微細な亀裂などがないか、点検が必要だ。
気象庁の緊急地震速報が、うまく機能しなかったことも残念だ。 「震度6弱」以上の地域では、速報が間に合わなかった。
震源が浅く直下の場合速報より前に地震波が到達する事、震源が深い地震では震度の予測が難しく、今回は、揺れがだんだん強くなるタイプだったことも、速報遅れの原因になったようだ。 地震が起こるメカニズムは一様ではない。揺れの伝わり方も震源の深さや地質の状態によって異なる。 気象庁は、予想震度の割り出し方について知見を深め、速報システムの改善につなげてほしい。
今回、東北地方でタイプの違う地震が続いて発生したが、発生が予測されている東海地震の震源の位置、深さはどうなるのでしょうか。又、各地、各地盤の震度、地震動の周期どのようになるのか、建造物の振動解析等の肌理の細かい調査と予測が求められるのではないでしょうか。