2014年11月
しばらく前になりますが、震災後初めて仙台を訪れる機会がありました。津波で大きく被害を受けた亘理町を視察しました。海沿いの国道6号には、大型ダンプが切れ目なく走っていました。既に瓦礫はきれいに片づけられ、説明を受けなければとても悲惨な大震災があったとは信じられないほど、何もない野原が広がっていました。
震災の語り部ボランティアの方の話を聞き、大変印象に残っている話があります。「皆さん、ライフジャケットと自動車用緊急脱出ハンマーは是非車に用意して下さい。自宅が津波到達予定区域であれば、自宅にもライフジャケットを用意してください。津波に遭って逃げられない時、必ずやあなたの手助けとなります。被災の際高い場所がすぐ近くにあるとは限りません。何かにしがみついて流れに逆らうことを思えば、はるかに生存率が上がります。また寝たきりの人がおられたら、是非ベットマットの下に厚く大きな発泡スチロールを敷いて下さい。無ければ、スタイロ畳でもいいです。津波の際、その寝たきりの人を避難させることが出来ないかもしれません。その時、発泡スチロールはその人の命を繋げてくれるかもしれません。そんなにお金はかかりません。恐らく数千円で済むと思います。」
非常に熱心な方で私たちが静岡県の浜松から来るというので、わざわざインターネットからダウンロードしたものを貼り合わせて作った遠州灘の大きな地図を用意して、説明してくれました。中田島町や篠原町などの町名が説明に出てくるほど、同じような震災が想定されている私たちの地域に非常に強い関心を持っておられました。関心というより同じような悲惨を繰り返さないようにとの、あの震災を経験した人しか持てない思いやりを感じました。ライフジャケットとハンマーのことを繰り返し繰り返し、強く話していました。確かに言われる通りライフジャケットや発泡スチロールは、非常に有効だと思います。しかも、安価です。実体験に基づいた説得力のある話でした。私も早速用意しました。この「ちょんな」を読んだ方、特に沿岸部に住まわれている方は、是非用意して下さい。恐らくそれによって、僅かでも被害を押さえられることと思います
<M.I>