コラム「ちょんな」

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ちょんな 浜松建設業協会の総務・情報委員会メンバーによるコラムです。

2015年5月

 先日、日本から最も遠い国アルゼンチンに行ってきました。しかも南極に最も近いパタゴニアという地方です。飛行機を3回乗り継いで、正味の飛行時間だけでも26時間。乗り換え時間まで入れれば、丸2日掛かります。何故、そんなところまで行ったかというと、最果ての地への憧れです。椎名誠の本で、やたら風が強く不毛で広大な大地というイメージを持っていました。そんな場所に鉛筆のように尖った岩山が、世界でも珍しい険しく気高い山々の風景を作っています。又氷河を間近に見ることも出来ます。いつかは行ってみたいと夢のように思っていた場所です。それが昨年の5月に必要なマイルも溜まり、奇跡的に往復の飛行機が取れました。(何故奇跡的というか。それは、マイレージポイントを使っての無料提携航空券を、往復共希望の乗り継ぎで確保するのは殆ど無理なのです。その後日程変更で何回もアクセスしましたが、ついに一度として往復の便がうまく取れることはありませんでした。) 夢のように思っていた場所に行ける機会が得られたのですから、無理をしてでも今回行かないと2度とこんな機会を得られません。又体力的にも動ける今の内でなければ、行かれる場所ではありません。そんなこんなで、はるばると遠くまで行ってきました。そして期待通りの気高く美しい風景に出会えました。又緑の殆どない荒涼とした大地の中をレンタカーを借りて疾走してきました。

ウシュアイア エルヴィラ山  エルチャルテン フィッツロイ山 
エルチャルテン フィッツロイ山遠望  エルチャルテン セロトーレ山 

 当たり前の話しですが、どこに行っても人々は生活していました。私自身がその場に身を置いてみると一時的にしろ私の日常の場所であって、決して特異な地ではなく最果ての地でもありませんでした。一つの町から次の町まで100キロ離れていて途中数軒しか人家がないほど人が少ない土地であったにしても、人々が生活する場であってたまたま人が非常に少ない土地と言うに過ぎません。うまく言えません。「山のあなたの空遠く幸住むと人は言う・・・やまのあなたのなお遠く幸住むと人のいふ」。恐らく私の言いたいことは、カールブッセのこの言葉を思い出せてくれた広ーい大地でした。

エルカラファテ ペリトモレノ氷河  エルカラファテ ペリトモレノ氷河 

 人の背丈もあるような樹木は殆どなく刺々しい灌木類しかない大地は、裸の大地の広さと大きさを感じさせます。遠く雪を戴いた山々を背景に、目にする限り緩やかに起伏する大地が広がっています。自然の圧倒的な力をまざまざと見る思いでした。

パイネ国立公園 パイネの角山  エルカラファテ ブエノスアイレス山 
エルカラファテ アルヘンティーノ湖畔 

<M.I>