コラム「ちょんな」

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ちょんな 浜松建設業協会の総務・情報委員会メンバーによるコラムです。

2013年3月

 中国の上海に行ってきました。

豫園-1
豫園-2

 丁度旧正月のお休みとあって、どこに行っても家族連れで大賑わい。日本でいう浅草みたいな昔からの名所である豫園では、それこそ満員電車のような混雑だった。沿道には様々な土産物店が軒を連ね、子供のおもちゃを買う家族、彼女に似合うアクセサリーを探すカップル等々実に賑やかだ。やはり日本の正月のように、町全体が新年の喜びに沸いているという感じ。町のそここに提灯が掲げられ、各家々の門には新年を祝うきれいな御札で飾り付けられている。

 豫園では、きれいな大きいデコレーションが作られていた(写真)。初詣のような賑やかさの中で、GNP世界2位になった誇りと希望が充ち満ちていると感じるのは、日本人のひがみだろうか。私一人の錯覚だろうか。みんなで運動会をしているような明るさがある。怒鳴り合っていても混雑に辟易しても、また仕事が始まれば時間に追われるように忙しく働くんだ、という感じのエネルギーを感じる。右肩上がりの未来を信じている力強さを感じる。

上海夜景-1
上海夜景-2

 よく写真で見る外灘の竜宮城のような美しさ(写真)を見れば、誰しも未来を信じる力が与えられるだろう。日本でも新宿に超高層ビルが競うように建っていった頃、私たちはその風景を見上げて誇りを感じた。夢を持った。それと同じような夢が有る。本当にあの美しさは、ニューヨークに劣らない世界の美しい都市の一つだ。そしてずいぶん派手だと馬鹿にしていた奇抜なデザインも、理解できたような気がする。それは高さや大きさへの素朴な憧れを、素直に形にしているのだ。日本では、そんな遊びを許さない禁欲的と言っていいようなころがある。別の言い方をすれば、厳しい合理性が求められる。中国という1党独裁体制だからこそ、出来ることだろう。これだと決めたら、反対意見を切り捨てられる。関係する多くの人々の賛同を必要としない。思い切って素直な憧れを形にした。それがあの竜宮城だ。失速するのではないか、という世界の注視をものともせず、中国の人々は自分たちの未来を信じていると感じた。

<M.I>